バフェットはどんな企業を選ぶのか~バフェットからの手紙
投資の神様と言われているウォーレン・バフェット。彼が会長を務めるバークシャー・ハサウェイ社の年次報告書に掲載されている「会長からの手紙」を、テーマ別に整理したものがこの本です。バフェットの経営理念と投資哲学がまとめられた、言わずとしれた良書です。本の形にまとめてくれているのは、ローレンス・A・カニンガム教授。
毎年、新しい「手紙」が発行されるため、本書も定期的に更新されており、2021年10月現在の最新は「第5版」となっています。今回、この第5版を読んでみたので、今後の投資に活かせるポイントをまとめておこうと思います。テーマごとに3回くらいに分けて書いていきます。
バフェットはどんな企業を選ぶのか
私たちが選ぶ企業の条件は、①その内容を私たちが理解し、②将来にわたり長期的に好ましい業績が見込め、③経営幹部は誠実で有能な人々であり、④魅力的な価格で購入できることです。
①自分が理解できる企業
①については、次のようにも言っています。
すべての投資先を評価できる人はいません。ただ、すべてを知る必要はなく、自分がかかわることだけ理解しておけばよいのです。
実際、バフェットがこれまでに買っているのは、繊維、保険、飲料、新聞、鉄道、電気など、日常生活に密接した企業です。また、ハイテク企業は理解ができないため、投資しないとも言っています。
②長期に安定した業績を残せる企業
五年、十年、二十年後に実質上確実に高い収益を上げるであろう企業
また、理想的には
コカ・コーラのような…「インエビタブルズ(必要不可欠な企業)」
がよいと語っています。また、安定したインカムゲインを得られる例として、農場とニューヨークの不動産を挙げています…自分の子の代、孫の代になったとしても、トウモロコシは毎年育ち、ニューヨーク大学には学生たちが集まる…。
ただ、どうやってそういう企業を探せばよいかは書いてないんですよね。見つけるのは難しく、バフェットでも年に1社を目標に、ということなので、しらみつぶしにコツコツと有価証券報告書を読むしかないのでしょう。
③有能な経営陣(CEO)が率いる企業
バフェットは、「誠実で有能なCEO」について繰り返し言及しています。また、「株主志向」であることも強く求めています。
不思議なことに、どんなに大きな企業でも一人のCEO次第なところがありますよね。バフェットのように企業買収をしているなら、直接その企業のCEOの人となりを知ることができますが、私のような一個人投資家では難しいです。ただ、○民やタ○ホームのようなブラック臭がする企業を回避することはできます。また、動画などで社長のインタビュー等をみることも有効ではないでしょうか。
④魅力的な価格
いわゆるバリュエーションについてですね。ここは次回にまとめたいと思います。
感想
失敗談も含めたバフェットの経験を、ウィットに富んだ語り口で書かれており、非常に面白い本でした。投資にはいろいろなスタンスがあると思いますが、やはり私にはバフェットのような長期投資が合っているような気がします。よい成績につながるかどうかは、まだわかりませんが…勉強と実践あるのみです。
わからないものには投資しない【テクノホライゾン】
気になった銘柄分析、第2弾はテクノホライゾン(6629)です。タイトルに結論を書いてしまっていますが。
結論
- 「映像&IT」と「ロボティクス」が2本柱
(2022年3月期より光学機器と電子機器からセグメント変更) - 増収増益、PER8倍で指標的には魅力的に見える
- M&A積極的
- わからない(自分が理解できない)ものには投資しない
どんな会社?
2010年4月に株式会社タイテックと株式会社エルモ社の株式移転により、共同持株会社「テクノホライゾン・ホールディングス株式会社」として発足しています。
『当社(純粋持株会社)と子会社21社及び関連会社3社(2021年3月31日現在)により構成されており、光学機器の開発・製造・販売活動のほか、電子機器の開発・製造・販売活動を主な事業内容』ということで、エルモグループが光学機器(映像&IT)を、タイテックグループが電子機器(ロボティクス)を、そして中国に製品製造の工場(中日諏訪グループ)を持っているという構成のようです(この時点でもうギブアップしたくなっている)。日本だけでなく、中国、東南アジア、欧米と世界的に展開しています。
「映像&IT」としては、書画カメラ(実物投影機)や電子黒板等が中心的な製品で、教育現場やビジネスにおける会議ツールとして活用されているようです。書画カメラって、昔はOHPで葉っぱの細胞とか投影していましたけど、それの進化版(!?)ですね。その他にドラレコや医療機器なども。材料としては「GIGAスクール構想」や「テレワーク」「DX化」に絡んできます。
もう一方の「ロボティクス」としては、FA(Factory Automation)が主力事業で、ロボットハンドやマシンビジョンなんかもやっているようです。
時価総額は263億円。従業員数は約1,000人。もうとにかく、色々な製品とサービスを展開していますね。
至近の業績
2021年3月期の決算短信から抜粋します。売上高で+18%、営業利益ではなんと+67%の増益増収です。映像&IT部門の伸びが牽引しており、オンライン授業やテレワークによる需要拡大が影響しているようです。あとはM&Aの影響もあるのでしょうか。そこらへんは私の実力では理解不能でした…。
実は、2022年3月期 第1Qの決算も出ていますが、そちらは前期比で増収減益で営業利益はマイナスとなっています。過去の推移をみると利益は下期偏重のようですが、理由を確認することはできませんでした。通期の業績予想には影響なしで20%以上の増収増益の想定ですが、株価は500円程度下がったようです。
各種指標
おおまかな目安です(2021年10月3日現在)。
株価:1,317円、PER:7.72倍、EPS:170.7円、PBR:1.9倍、ROE:25.6%、配当性向:11.7%
M&A
テクノホライゾンの特徴は、なんといってもM&Aに積極的なところです。2020年以降でも、シンガポールのセキュリティ企業など5社も子会社化しています。高い成長性にはM&Aの寄与も大きいでしょう。
ただ、投資家から見てM&Aってどうなんでしょうね?一般には競争力強化や市場開拓、既存事業とのシナジー等を期待して企業を買収し、基本的にはメリットの方が多いと思いますが、想定通りの収益やシナジーが得られない可能性もあり、一種のギャンブルのようにも思えてしまいます。
また、なにより個人の兼業投資家レベルでは、拡大する業務内容の把握や"のれん"の影響等、企業の状況を正確に把握することが難しいのではないでしょうか。
感想
指標的にはかなり魅力的で、今後もM&Aの推進による高成長が見込めるのではないでしょうか。ただ、多様な製品と広い市場、多くの企業群の全てを理解するには、私は力不足のようでした。
バフェット曰く『投資家の目的は、十分に理解ができ、かつ五年後、十年後、二十年後に実質上確実に高い収益を上げるであろう企業の一部を、合理的な価格で購入することに尽きる』のです。
ケーブルテレビ業界ってどうなの?【シンクレイヤ】
2021年夏号の四季報をようやく読み終えました。時間かかりすぎですが、中長期投資で考えれば誤差ということにしましょう。ということで、今後は気になった銘柄を分析していこうかと思います。最初は、シンクレイヤ(1724)です。
結論
最初に結論を書くスタイルです。
- PER5倍と割安感はあり、下値余地は少なそう
- 至近業績は絶好調!第2四半期で進捗率80%
- ケーブルテレビ業界の市場規模は大きいが、成長産業とは言い難い
- バフェット曰く「乗り込んだボート(ビジネス)をいかにうまく漕ぐかということよりも、どのボートに乗り込むかということのほうがはるかに重要」
- 決して悪くはないが、もっと成長が期待できる企業はありそう
どんな会社?
ケーブルテレビ事業者向け通信機器の開発、製造、販売、およびシステムの設計、保守、管理を行っているようです。前者が機器インテグレーション部門、後者がトータル・インテグレーション部門とされています。割合は半々くらい。
1962年創立の老舗で、社長さんは2代目ですが、米国留学や協会理事の経験等もあり、やり手のようです。時価総額は52億円。
至近の業績
2021年12月期第2四半期決算では、売上高が前期比+26%、営業利益は+80%と業績好調です。機器受注、FTTH関連工事が順調に推移したためと説明されており、通期業績予想も上方修正されています。
ケーブルテレビ業界ってどうなの?
中長期的な会社の業績は、ケーブルテレビ業界の設備投資に左右されそうですが、ケーブルテレビ業界は伸びしろがあるのでしょうか?ちょっと時代遅れのイメージがあるのですが…。
日本ケーブルテレビ連盟に業界レポートがありました(何故か最新は2019年)。
ケーブルテレビの世帯普及率は約52.2%で日本国内の2軒に1軒はケーブルテレビに加入しているとのこと。ここ10年間は横ばいで推移しているので、これ以上拡大することはなさそうです。市場規模としては、ケーブルテレビ事業者の売上高として2019年3月
末で1兆2,732億円あり、地上波よりは低いものの、書籍やゲーム業界等より大きくなっています。
ケーブルテレビと一口に言っても、その役割は、テレビ、インターネット、電話の3つがあり、インフラとしては必須になっていると言えるでしょう。我が家もケーブルテレビの回線でインターネットに接続しています。
さらに、ここ数年のトレンドとしては「FTTH化」があります。これは、「Fiber To The Home」 で要するに光回線化ですね。在宅ワークの増加に伴い回線増強が図られ、それが好業績につながっている構図が見えてきます。一方、幹線の光回線化率は18年度末時点で約7割に達しており、ほぼ終盤に差し掛かっているようです。
各種指標
おおまかな目安です。
PER:5倍、EPS:198円、PBR:0.9倍、ROE:17.6%、配当性向:7%
PERがめちゃ低い!8/19に第三者割当による新株予約権発行のお知らせがあり、一時ストップ安となっていました。調達資金は設備投資と技術開発に回すとのことで、ノンホルダー的には買い材料では。過去のPER推移を見ますと、10倍以下、平均7倍くらいですね…。やはり成長性が期待されていないということでしょうか。ROEも高いですし、指標としては悪くないと思うのですが。
感想
調べると買いたくなりますね。もっと良い企業があるはず!と他の企業を調べていたら、その前に株価があがっちゃいそう…という焦燥感に駆られます。最初はゆっくりでも仕方ないと割り切って、実力と実績を積み上げていくしかないでしょう。引き続き、銘柄分析していきたいです。
どうする?ファンダメンタルズ分析で考える【ダイコー通産】
投資初心者の私がTwitterで「割安成長株」との情報を得て、なんとなく買ってしまった「ダイコー通産」。現在、評価損益-20%となっております(泣)
今後、どうしていくのが良いか方策を考えるためにも、ここで改めて分析をしてみたいと思います。ブログの形にすることで何か見えてこないかな。
どういう会社?
CATV・情報通信分野の商社です。ケーブルや通信機器、設置用金具等の材料を製造メーカーから仕入れて、CATV事業者や通信工事施工業者に販売する。ごく一般的な卸売業の事業構造です。
社長は河田晃さん。株主構成から一族経営のようです。1975年設立とのことですので、2代目でしょうか。
何が強みなの?
HPを見たところ『CATV業界や情報通信業界の高度化するニーズに、高い専門能力で応えて』いることでしょうか。確かに通信システムに関する専門知識がないとベストな商品は提案できなさそうです。また、北海道から沖縄まで全国12か所に営業拠点を展開していることも強みと言えそうです。
しかし、これが独自性や高い競争力に繋がっている…かどうかはよくわかりません。
最新決算
至近の21年5月期は営業利益率が前期比50%増!これは文科省が小中学校に高速通信網を敷く「GIGAスクール構想」による特需の影響です。一方、特需剥落によって来期は逆に減収減益の予想となっています。
この特需の意味をよく理解しないまま株を買ったことが、今回の敗因と思っています。ようするに特需の影響が見た目の成長率にどの程度影響しているかがわかっていなかった。実態以上に成長していると勘違いしてしまったんですね。
中期経営計画によれば、特需の影響を除けば24年5月期まで増収増益が継続する予想となっていますが、成長率は売上ベースで年5%程度といったところでしょうか。インデックスに勝つには力不足感が否めません。
各種指標
おおまかな目安です。
PER:10倍、EPS:123円、PBR:1倍、ROE:10%、配当性向:30%以上
これといった同業他社を見つけられなかったため、比較ができませんでした。割高ではないとは思います。過去の推移からPER:13倍くらいまでは上値余地があるかもです。123円×13=1,599円。
結論
堅実でよい企業とは思いましたが、成長率が5%はやはり物足りないです。また、成長戦略として地域開拓が挙げられていますが、具体的には東京営業所・物流センターの移転計画があるだけで、「年に何拠点を新設!」といった明確なストーリーは見えてきませんでした。
やはりリリースすべきでしょうね。21/8/28現在の株価は1,258円です。決算前から続いていた下落は1,200円あたりが底で反発したようには見えます。引き続きチャートを見ながら早めに損切したいと思います。(言うは易し行うは難し)
全て売却できたら、今度はチャートを見ながら売買の反省もできればと考えています。
目標設定100Million!
何のために投資するのか
こんなところかな。単身赴任…したくないなぁ。うちの父親が20年以上単身赴任していたのだけど、もう10年もすると自分の家なのに居場所がなくなっていたもんね。そしていよいよ定年というところでガンになって死んじゃった。
ま、とりあえずそういう訳で、セミリタイアだったり、(給料が低い会社への)転職だったりが選択肢となるように、資産形成をしたいのです。
目標設定1億円
かの有名な「4%ルール」によれば、年間支出の25倍の資産を築けば、年利4%の運用益で生活費をまかなえるらしい。なので、400万円×25=1億円あれば、たいていの事はなんとかなりそうだ。
手元の運用資金は500万円。そこに毎年100万円を追加投資する。個別株を運用する以上、インデックスのパフォーマンスは上回らなければ意味がないので、年利15%(!?)としてシミュレーションしてみる。
年数 | 積立額 | 元金 | 年利 | 運用益 | 合計 |
1 | ¥5,000,000 | ¥5,000,000 | 15% | ¥750,000 | ¥5,750,000 |
2 | ¥6,000,000 | ¥6,750,000 | 15% | ¥1,012,500 | ¥7,762,500 |
3 | ¥7,000,000 | ¥8,762,500 | 15% | ¥1,314,375 | ¥10,076,875 |
4 | ¥8,000,000 | ¥11,076,875 | 15% | ¥1,661,531 | ¥12,738,406 |
5 | ¥9,000,000 | ¥13,738,406 | 15% | ¥2,060,761 | ¥15,799,167 |
6 | ¥10,000,000 | ¥16,799,167 | 15% | ¥2,519,875 | ¥19,319,042 |
7 | ¥11,000,000 | ¥20,319,042 | 15% | ¥3,047,856 | ¥23,366,899 |
8 | ¥12,000,000 | ¥24,366,899 | 15% | ¥3,655,035 | ¥28,021,933 |
9 | ¥13,000,000 | ¥29,021,933 | 15% | ¥4,353,290 | ¥33,375,223 |
10 | ¥14,000,000 | ¥34,375,223 | 15% | ¥5,156,284 | ¥39,531,507 |
11 | ¥15,000,000 | ¥40,531,507 | 15% | ¥6,079,726 | ¥46,611,233 |
12 | ¥16,000,000 | ¥47,611,233 | 15% | ¥7,141,685 | ¥54,752,918 |
13 | ¥17,000,000 | ¥55,752,918 | 15% | ¥8,362,938 | ¥64,115,856 |
14 | ¥18,000,000 | ¥65,115,856 | 15% | ¥9,767,378 | ¥74,883,234 |
15 | ¥19,000,000 | ¥75,883,234 | 15% | ¥11,382,485 | ¥87,265,719 |
16 | ¥20,000,000 | ¥88,265,719 | 15% | ¥13,239,858 | ¥101,505,577 |
17 | ¥21,000,000 | ¥102,505,577 | 15% | ¥15,375,837 | ¥117,881,413 |
18 | ¥22,000,000 | ¥118,881,413 | 15% | ¥17,832,212 | ¥136,713,625 |
19 | ¥23,000,000 | ¥137,713,625 | 15% | ¥20,657,044 | ¥158,370,669 |
20 | ¥24,000,000 | ¥159,370,669 | 15% | ¥23,905,600 | ¥183,276,270 |
21 | ¥25,000,000 | ¥184,276,270 | 15% | ¥27,641,440 | ¥211,917,710 |
22 | ¥26,000,000 | ¥212,917,710 | 15% | ¥31,937,657 | ¥244,855,367 |
23 | ¥27,000,000 | ¥245,855,367 | 15% | ¥36,878,305 | ¥282,733,672 |
24 | ¥28,000,000 | ¥283,733,672 | 15% | ¥42,560,051 | ¥326,293,722 |
25 | ¥29,000,000 | ¥327,293,722 | 15% | ¥49,094,058 | ¥376,387,781 |
シミュレーションによると、16年目で目標の1億円に到達することとなる。私は今年37歳なので、52歳で目標達成!ということだ。まぁ、妥当なところでは?ちなみに、年利10%の場合は、1億円到達は5年遅れて、57歳ということになります。
世界一の投資家と言われるウォーレン・バフェットの利回りが20%ということなので、15%はなかなか達成困難な気もしますが…目標は高い方がいい。
しかし、1年目に達成すべき運用益は75万円ですか。現状、かなり無理っぽい(笑)
ファンダメンタルズ投資家になるために
はじめに
2021年1月にマイホームが完成したことを契機に、今後のライフプランについて(ようやく)考えるようになりました。
この幸せな生活を維持するためには「金」がいる。今はサラリーマンで安定収入を得ているが、今後はどうなるかわからない。貯金は多少ある。資産形成のために投資を始めるべきではないか。
割安成長株
証券口座を開設して、とりあえず株式投資をスタートしました。本、雑誌、ネット情報等を参考にしながら、実際に株を売買してみて(まだ売ったことはない!)、少し基本はわかってきたように思います。
私の方針としては、中長期での割安成長株投資。
- PER10倍
- 増収増益が継続
- 成長シナリオ
- 配当性向30%以上
- 成長が鈍化、または十分な利益が得られたら利益確定
- 成長シナリオが崩れたら損切
ファンダメンタルズ
しかし、これまではネット情報、決算説明書、ホームページをざっと見て、「なんとなくわかった気になって」購入しているのが現状。先輩投資家方のブログ等を拝見し、もっと銘柄分析をしっかりしなければ、インデックスには勝てないであろうことを思い知る。
そこで、自分で調べ、学び、考えたことを残す場所を求めて、これまた未経験のブログを開設したのでした。
これからよろしくお願いします。続くかな?